先日借りたDVDの予告編で目にしたこの映画、実話で原作があると知って、読み始めたところでした。ファッションモデルのワリス・ディリーというソマリア出身の女性の半生記です。まだ読んでいる途中なのですが、原作がすごく良かったので、DVDも見たくなって借りてしまいました。
原作とは少し違う部分もあるようですが、とても良い映画でした。
ワリスという名前はソマリアの砂漠に咲く花のこと。
本の前半、ソマリアでのことも時代のことを書いた部分を読むとこの「砂漠に咲く花」という名前が本当に美しい名前だと思えてきます。ワリスは遊牧民の一家に生まれ、13歳で家を出るまで砂漠で育っています。アフリカの砂漠(原書に挑戦しているため、少々理解力不足ですが、どうもサバンナ気候の地域のようです)を家畜とともに移り住む生活。子供たちも幼いころから家の仕事を助けて働き、学校教育も受けていない。生活は貧しい。けれども、ワリスの子ども時代は両親の愛情と兄弟たちとの絆の中で過ごした幸せな時代だったようです。彼女の子ども時代が「終わった」のは、13歳の時。彼女にもとうとう結婚する日が来た時でした。60代と思われる高齢の男性との結婚が決まり、ワリスは母親に助けを求め、かつて彼女の姉がそうしたように家(家族)から逃げ、砂漠の中を徒歩で首都モガディシュを目指しました。モガディシュでは、親戚のうちを転々としていましたが、やがて在英ソマリア大使館員の親戚のメイドとして、イギリスへ。メイドとして4年働いた後、親戚の帰国時に「パスポートを失くした」と言って強引にイギリスに残り、今では世界に知られるモデルに。
アフリカの砂漠しか知らない彼女にとって、アフリカの自然と動物と共生する生活は「あたりまえの世界」。本の中で、彼女の子ども時代の描写は、美しく優しいエピソードが多い。しかし、その一方で女性を苦しめる様々な慣習が文化として根付いており、それらはワリスを含めた女の子たちの人生に大きく影響する。そのひとつが、ワリスが現在廃絶に向けて活動してる「女子割礼」、いわゆる性器切除。結婚まで純潔を守るため、幼いうちに処置をするのですが、女性の肉体に健康上大きなリスクを負わせ、精神に大きな傷を残します。ワリスは今、このFGM(Female genital mutilation)という慣習を廃絶するための活動をしています。
1965年生まれのワリスは、私の夫とあまり変わらない年齢。私ともせいぜい10数歳差。
ソマリアの砂漠から、世界的なファッションモデルへとかけ離れた世界に飛び込んだワリス・ディリー。幼いころから「自分はほかのみんなとは違う」と思っていたという彼女は、力強く自分の進む道を切り開き、チャンスをつかみ取ってきました。本を読むと、彼女が育ってきた美しくも厳しいアフリカの自然との共生、ノマド(遊牧民)としての過酷な生活など、先進国で不自由なく育ってきた私たちには想像のつかないような世界が描かれています。
本の方は、今まだ読んでいる最中なのですが、これから読まれる方がいらっしゃれば、映画と合わせて読まれるといいと思います。